リコーダーとトランペット

実は私、小学生の頃から「リコーダー」が好きでした。

あのいかにもバロック風な音色がとても好きだったのです。

ですから音楽の教科書は自分の物はもとより兄貴の教科書、はたまた弟の教科書、教科書が無くなったら音符を記述している全ての楽譜など吹きまくったものです。

おかげでその腕前に小中、高校生になるまで皆に驚かれていました。

「好きこそものの上手なれ」

という言葉がありますがまさにその通りだと思います。

当然トランペットも吹いていたので誰に教えられるでもなくダブル、トリプルタンギングをリコーダーに取り入れてみたり音域の決まっているリコーダーで音域外の高い音の演奏に成功したりラプソディーインブルーの冒頭のグリッサンドに成功したり強く息を吹き込むと音程の変わるリコーダーで大きな音を出しても音程が変わらないように指で穴のふさぎ加減を調節したり・・・・

ミカラ・ペトリさんという世界的なリコーダー奏者の方がいますが彼女はリコーダーではありえないボリュームの音を出せる事で有名になりましたがその技法を私は知らないうちにやっていたんですね。

今考えても我ながらたいしたもんだ!と思います。

子供ながらにも、好きな楽器で自分の音楽を表現するためにその楽器の限界や常識をどうやって超えるか・・・・といつも考えて吹いていたものです。

では、なぜリコーダーではなくトランペットのプロになろうと思ったのか?

今だから言えますが「リコーダーのプロよりトランペットのプロの方がプロになり易いだろう」と思ったからです。

トランペットの場合、楽団やバンドも多数ありますしトランペット人口も相当にあります。仕事の需要が多いと思いました。

かたやリコーダーは自分で演奏会を開くか何か録音取りの時にリコーダーの音が必要な時に呼ばれるくらい・・・・

と思っていました。

その結果・・・・

私はトランペットの演奏家にはなれませんでした。

ただただひたすらトランペットの吹き方に悩んでお終い。

結果論ですが私はあのままリコーダーの演奏家を目指した方が良かったのでは?と考える事もありました。

リコーダーとトランペットの違いは何でしょうか?

リコーダーは吹けば音が出ます。

トランペットはトランペットの音を出すまでに少し時間がかかります。

そのくらいです。

私は結局トランペットの音を出せずじまいだったんですね。

そして止めてから10年後に・・・

トランペットを始めたのが小学校4年生の時ですから足掛け24年かかってようやくスタートラインに着けた事になります(泣

楽器がなんだろうと最初からキチンと音が出せれば後はもうひたすら楽しみながら邁進するだけです。

よく「毎日練習していればいつか上手くなるよ」と言う人がいます。

確かに週に一度、7時間練習するより、毎日1時間練習した方が上達の度合いは大きいという意味合いではそうです。

しかしリコーダーと違い発声の大部分を自分の体で行うトランペットの場合、練習頻度や練習時間以前に、ちゃんとした音を出す必要があるのです。

それが出来ていないと毎日練習していてもあまり上手くなりませんのでだんだんつまらなくなってきます。

つまらなくなったら止めてしまえばいいのですが・・・・・このトランペットという楽器、ひとたび鳴りだすと止めようにも楽しくって止められなくなります。

誰でもそうかもしれませんがチョット高いところに上って景色を見ると「もっと高いところから景色を見てみたい」と思うでしょう?

そのようにして多くの演奏家の方々がとても高い山の上にいます。

ちゃんとした音が出たらあとは登るだけなんです。鼻歌まじりで楽しみながら。

 

■編集後記

「好きこそものの上手なれ」

トランペットに憧れたり好奇心から吹いてみたりして皆、ラッパ吹きになるのでしょうけど、トランペットの音が好きでトランペットを吹き始める人はどれくらいいるのでしょうか。

リコーダーの時は最初から「音」でした。

トランペットは中学生だった兄貴が学校から借りてきたのを吹いたのがきっかけで、その後にニニ・ロッソなどの演奏を聴くようになりました。

リコーダーの演奏時は自分がどんな風に演奏できているか確認しながら吹いていましたがトランペットの時は演奏しながら自分の演奏を客観的に聞く事はしていなかったように思います。

リコーダーの時は自分の演奏に対して実にシビアで厳しかった。

トランペットの時は自分の演奏に聞き耳を立てていないので自分の演奏に対しては大甘だったように感じます。

もっと早い時期に、この辺に気がつくべきだったなあ~と今、メールを書きながらしみじみ思いました。

本当に好きだからこそ「厳しく」取り組む事が出来るんですね。

その後の「良い景色」を見たいがために。