調子はどうですか?

今日たまたま車の中でFM放送を聴いていたら、幸運にも日本音楽コンクール本選にて1位入賞者による演奏会のライブ録音の放送されていました。

今回トランペット部門は1位入賞者が2名いたようで、高見信行さんはアルチュニアンのトランペット協奏曲、もう一人の長谷川智之さんはトマジのコンチェルトを演奏していました。

両者どちらの方の演奏も素晴らしいものでした。が、やはりお若いお二人ですから結構緊張されたんではないのかな?と感じるようなミスが多かったように感じました。

ただ両者の演奏を聴き比べてみて「面白いなあぁ~」と感じたのは、アルチュニアンの高見さんの場合、なにかこう・・・音に伸びがあまり感じないというか、舌を突いているのに音が出なかったりダブル・トリプルタンギングが苦しくなってきたり、聞き手からすると何か演奏者が演奏を怖がっているような感じ・・・・に聞こえたような気がします。

もうお一方の長谷川さんの場合もミスノートやリズムの良くない箇所も結構あるのですが、音に伸びがあり舌突きも上手くいっているので、のびのびと演奏しているように感じました。

そのように感じるのはやはり前者の高見さんの場合、調子はあまり良くなかったのではないでしょうか?

調子が悪いと息がスムーズに入っていかないために音に伸びが無くなり舌突きも上手くいかないものです。

トランペット奏者にとってその日の「調子」は非常に大切ですよね。

調子がいいとか悪いとか、というのはアマチュアや学生だけでしょうか?

いいえ、超一流のプロにもあります。

昔、カナディアンブラスのライブを聞きに行く機会がありましたがその日はトランペットの背の小さい方の人(名前は忘れました(-_-))の調子がとても悪そうで、聞いていても何かこう、苦しそうで、CDで聞くような感激は半減しましたが、その方はミスノートも無く、最後までプログラムを吹ききるところは「サスガだなぁ~」と思ったものです。

上手い人にも調子の良い日、悪い日はあります。

しかし調子の悪い日でもそれなりに吹けます。

「上達のスタートライン」に着けていない方は調子が悪いと全く吹けなくなりますよね。

ラッパ吹きの実力って調子が最悪に悪い日がその方の実力なんだろうなあ~と私は感じています。

ですからこの調子の悪い時の実力の底上げが大事なんだろうと思います。

投資の世界で言えば「リスクコントロール」とでも言うのでしょうか。

つまり、調子が悪くても楽曲演奏に困らないように普段から難しいエチュードを練習する・・・とか、なるべく調子が悪くならないように普段から「吹きすぎ」に注意したりいつも同じように練習をして、あまり変わったことをしないとか・・・

時々「何事も無茶をするからこそ上手くなるんじゃないか!」

という意見を聞いたことがありますが私はそうは思いません。

そういう方の言う無茶とは「一日ぶっ通しで吹く」とか「出ない高音をマウスピースを強く押し付けて出す」とか「音が汚くなってもでかい音をだす」という乱暴なものだからです。

どうせ無茶をするなら「2オクターブの音程をリップスラーで行う」とか「ビズッティのようにダブルタンギングでオクターブ音程を行ったりきたりする」などの無茶の方がよっぽど有益だと感じています。

調子が悪いと何かこう・・・悔しくて面白くなくて色々無茶をしたくなりますが、調子が悪い時はむしろ何もしない方が良いのではないか?と私は考えています。

逆に調子のいいときにいろんなことにチャレンジして実力の底上げを狙った方が良い結果に結びつくような気がします。

何か自分の調子そのものをコントロールする方法があればいいんですけどね。

 

■編集後記

アルチュニアンの協奏曲は私も大好きな曲の一つです。
いろんな方が演奏していますが中でも最も私が好きなのはドクシチェルさんの演奏でしょうか。

でもなぜ日本の方が演奏すると最後の三連譜をゆっくりとというかritするのでしょうか。
あそこはドクシチェルさんのようにサッとやって響きも残さないくらいの方がカッコイイと思うんだけどなあぁ~(笑)

バンド演奏でも何でも日本人って全体的に楽曲の最後はritして「ジャァァァーーーーーン」って響きを残したがるような気がします。

私はそれは演奏全体の未熟さを最後の残響でごまかそうとしているというか何か「名残惜しいよおォォォ~~~~」って言ってるように感じます(笑)

楽曲によっては「やることやりましたんでサッサと帰りますっ!」ってカンジの方がカッコイイと思っています(笑)

皆さんはどう思いますか?